ベチバー
ベチバーの根で作ったブラインド |
英名: Vetiver
サンスクリット名:Ushira
暑いインドの夏に欠かせない植物といえば、このベチバー。日本名を「カスカスガヤ」というらしい。名前のとおり、萱(カヤ)の一種。屋根をふくあのカヤ。イネ科の植物で、暑い国に生える。根に芳香があり、エッセンシャルオイルとして用いられることが多いらしい。
が、インドでの用途は主に暑さ避けのブラインド。ベチバーの根で編んだ分厚いブラインド(すだれ)なのだ。エアコン等のない施設が多い中で涼をとる工夫のひとつが、古くから用いられてきたこのブラインドで、これを窓の外に垂らし、ときどき水をぶっかける。その気化熱で屋外の熱風を涼風に変える。と同時に、すばらしい芳香が涼風とともに室内に入ってくる。
インド人がこのベチバーのブラインドのことを語るとき、少し遠い目になって顔がゆるむのが面白い。まるで、楽しい思い出と懐かしい記憶が一気によみがえるかのような顔つきになるのだ。古き良き時代のインドの夏。田舎の家の懐かしい香り。日本人でいえば、さしずめ畳の匂いというところだろうか。インドでも都会はすっかりエアコン頼りになり、ベチバーの出番は少なくなったようだ。
このベチバーのブラインドを日本に輸入できないものかと思っている。電力を使わない暑さ対策として、今の日本にとても必要なものだと思う。
ちなみに、ベチバーのエッセンシャルオイルは、香水のベースノートとして使われるほか、インド伝承医学では熱中症対策にも使われるそうだ。あと、これは日本の精油専門店(「生活の木」)で聞いた話なのだが、ベチバーの香りはゴキブリ避けとして売れているらしい。これは意外!
0 Comments:
Post a Comment
<< Home